9月1日、真夜中の午前一時、一番太鼓の音が谷村の町に響きわたり、祭りの始まりを告げます。
三番太鼓とともに「お仕度ーお仕度ー」の合図で寄り集まり、支度を整えて生出神社に下り祭式が執り行われ、いよいよ行列のおたちです。
十万石の格式を、華麗に、また勇壮に「下にー下にー」と先陣の号令で谷村に向け行列が動き始めます。
当然のことではありますが、この行列を高いところから迎えることは許されません。
直ちに戒められてしまいます。
そればかりか、軒から突き出たようなものがあって、巡行にさしさわるようなものがあると切り落とされてしまうのです。
祭りとはいえ、厳しいですね。
行列の中の奴さんは、当時もひょうひょうとして踊るそのユーモラスさが人気を集め、盛んな声援を受けたそうです。
(広報つる 平成10年10月号より)