飾幕【早馬町所有「牧童牛の背に笛を吹く」】

赤々と燃える夕映えのような緋ラシャの幕の中央に、草刈りを終えた牧童が黒牛の背に乗って、笛を吹きながら家路に向かう。そのひとときの静かな情景。
この飾幕は、葛飾北斎の下絵と伝えられています。
白の絹糸の刺繍で水辺の波を描いています。幕の上部からしだれる柳の枝は、針金に金糸を巻き付けた枝に、緑の布で一枚一枚細工された葉が付けられています。
黒牛の角は本物の角、童子の吹く横笛は本物の竹を使用し、こだわって制作されたことがわかります。