飾幕【仲町所有「桜に駒」】

昭和10年の荒天で、仲町大神宮公園の崖が崩れ、飾幕「桜に駒」を保管していた倉庫が倒壊しました。そのとき、この飾幕は、土砂の中に埋没しました。
救い出した飾幕は、金糸で縫い取った桜の花の形と、絵師「鳥文斉藤原栄之」の落款のみが残った無残な姿に変わり果てていました。
鳥文斉藤原栄之は、江戸時代の浮世絵美人画界において、歌麿の名声にも負けない人気を博したと伝えられています。
飾幕は昭和58年に復元され、春風に駒がいななくと、引綱に結わえ付けた桜の木が揺れ動き、満開の桜は花吹雪になる・・・その一瞬の美をとらえ得た見事な姿を再び見ることができるようになりました。